欧州の包装廃棄物指令について

Blog Post

近年、民間や国家の管理機関ならびに国際的管理団体が過剰な包装資材から生じる問題、特にプラスチック廃棄物に対処する動きを見せており、物流管理者にとって、包装の持続可能性の向上はますます重要なテーマとなっています。現在、UNEP(国連環境計画)は、国際的なプラスチック条約について交渉を進めており、2024年末までに交渉が妥結する予定です。

EU内でも、包装廃棄物の課題を解決するための措置が講じられており、その結果、すべての包装材製造業者が達成すべき段階的な目標を定めた指令が制定されました。ここでは、EUの包装材および包装廃棄物指令、設定された具体的な目標について詳しく紹介します。また、梱包自動化が指令の要件を達成する上で、どのような重要な役割を果たすことが出来るのかについても解説します。

 

EUの包装および包装廃棄物指令とは?

ランパックの高さ可変自動封函機 Cut'it! EVOで封函された箱を開梱した例

欧州委員会は、欧州連合(EU)の執行機関であり、EUの財政管理や、新たな法律の提案や施行、EUの全体戦略推進といった役目を担っています。環境政策に関する調整もその一つです。最近、欧州委員会は、包装指令の改正を提案しています。この改正案は、包装廃棄物の削減、包装材使用量の最小化、リサイクル材料およびリサイクル可能な材料の使用の推奨、そして将来的にプラスチック包装材の使用を最低限に抑制することを目的としています。

  • この指令は、包装材および包装廃棄物に関する指令 94/62/ECとして知られています。様々な議論・更新作業がなされており、新しい規則の2024年中の制定が見込まれています。
  • 輸送する箱の中のすき間の割合を50%未満(2024年修正)にすること、そしてすき間埋め用緩衝資材の使用量も減らすことも盛り込まれています。
  • この指令内容の遵守期限は2030年に設定されているため、企業は、遵守に向けた取り組みを今すぐに開始しなくてはならない状況となっています。

 

指令の発効はいつか?

以下は、EU包装指令の主な日付の一部です。

  • EU加盟国には、2024年末までに確実にすべての包装について生産者責任スキーム* を確立することが求められます。
  • 2025年12月31日までに、すべての包装廃棄物のうち、重量にして65%以上をリサイクルしなければなりません。
  • 2030年12月31日までに、すべての包装廃棄物のうち、重量にして70%以上をリサイクルしなければなりません。

 

現在、Eコマースで使われている箱の中には、どの位のすき間がある?

Eコマースで使用される段ボールは、予めサイズが決められている場合が多く、箱の中のすき間は平均60%~80%程度と見込まれており、今回の規制案に規定される最大量を大きく超えています。現在、多くの梱包業務においては、段ボールサイズを予め決まった数種類に制限することで効率化を図っています。そして、箱内のすき間をプラスチック製のエアバッグや気泡緩衝材、紙資材などで充填しています。EU指令に準拠するためには、現在の自社の梱包方法を評価し、過剰なすき間の原因、ひいては非効率性の原因に対処しなければなりません。ここでは、「箱のサイズの最適化」がカギとなります。

注:指令の内容は、英語での掲載時期によるものであり、2024年の更新内容が反映されていない場合がございます。

 

梱包作業の自動化による箱サイズの最適化

ランパックの高さ可変自動封函機 Cut'it! EVOで、高さが調整された箱

箱の内容物に合わせて、箱内のすき間を最小限にするには、箱のサイズを最適化出来るか否かが重要です。適切な包装材と包装用機器を使用することで、EU指令への準拠だけでなく、よりサステナブルなオペレーションが可能となります。

ランパックでは、環境配慮型のサスティナブルな紙緩衝材に注力し、Eコマースや産業系企業様に提供してきました。そして、ランパックオートメーションの梱包ライン向けソリューションは、製品をきちんと保護しながら、輸送される箱内の体積を可能な限り抑制するよう設計されています。

最適な箱の数とサイズを定義するために、ランパックでは独自のPrecube’it!™ ソフトウェアを活用したコンサルティングサービスを提供しています。このシステムは、過去の注文データを分析し、平均充填率を算出します。そして、そのデータを使用し、サイトにおける最適な箱のサイズおよび予想充填率を導き出します。こうした自動化ソリューションは、世界各地の梱包業務に導入されており、次のような大きなメリットをもたらしています。

  • より少ない人員配置にもかかわらず、1時間あたりの箱の処理数の増加
  • 廃棄物の削減
  • 箱の体積を抑制することにより、パレットに積める箱数の増加、結果必要な配送トラック台数の減少
  • サステナビリティの向上
  • 今後の規制への準拠に向けた事前準備

継続的なデータ収集を行い、データサイエンスとビジョンテクノロジーを活用し、継続的な改善とイノベーションを実現することで、より充実したサポートをお客様に提供します。Cut’it!EVOやビジョンテクノロジーから得られる実際の箱サイズに関するデータを基に、実際に処理される注文データを分析し、また作業の検証を行い、プロセスの最適化をご提案します。

  

欧州包装および包装廃棄物指令の要求を満たすためのソリューション

ランパックの高さ可変自動封函機 Cut'it! EVOで、箱の高さが調整された箱がコンベヤーを流れている

箱サイズの最適化は、梱包ラインに自動化ソリューションを組み込むことで実現可能です。EU指令の新たな目標の達成に向け、ランパックは下記のソリューションでお客様をサポートします。

  • 高さ可変自動封函機 Cut’it!™ EVOは、発送する箱内のすき間を可能な限り削減し、輸送費の削減に貢献します。箱の内容物の最も高い位置に合わせて、箱の高さを自動的に調整し箱サイズを最適化します。
  • Flap’it!™ は、小さいサイズの商品の梱包に有効な自動化ソリューションです。書籍、ビデオゲーム、DVD、スペアパーツ、小型電子機器といった商品の輸送時に優れた保護性を発揮するこのシステムは、Eコマースや物流業務に最適です。Flap’it!™ で作られる箱では、四隅部分に衝撃吸収バンパーが形成されるため、輸送中の破損を大幅に低減します。

重要 - 現在このウェブサイトを離れています

現在Ranpakのウェブサイトを離れています。お客様がアクセスするウェブサイトは、Ranpakおよび/またはその子会社が所有または運営するものではありません。第三者のウェブサイトに含まれるコンテンツ、製品および情報は、Ranpakおよび/またはその子会社が所有または管理するものではありません。したがって、Ranpakは、第三者、その製品またはサービス、そのウェブサイト、そのプライバシーポリシーまたは慣行、あるいは第三者のウェブサイトのコンテンツに関連する損害について、いかなる表明も行わず、保証も採用もせず、責任も負わないものとします。